愛知商工連盟協同組合は愛知県の企業の
総合コンサルタントとして中小零細企業の相談役として
各種経営サポートを行います。

愛知商工連盟協同組合

会計

2022年09月27日

7/22開催 インボイス制度説明会事前質問 税務署回答

会計1

7/22に開催しました「インボイス制度説明会」で行われた質疑応答の中で、
後日回答として保留になっていた事前質問に対して、税務署からの回答がありました。
全15件の質問・回答を下記の通り公開いたします。


Q1.


免税業者の売上について
インボイス制度により、適格請求書発行事業者ではない会社が、取引先に消費税を請求することは違法なのでしょうか。
また、請求書の表示を商品代金(税抜価格〇〇円・税込価格〇〇円)と変更して請求すれば良いでしょうか。
取引先が何も言ってこなければ、今まで通りの請求書の発行で良いでしょうか。

A1.
現時点では、適格請求書発行事業者でない者が、取引先に消費税を請求しても違法とまでは言えない。
請求金額は、あくまで当事者間で決めるものなので、免税事業者が消費税分を請求しても、当事者が金額で合意しているのであれば、免税事業者が消費税分を受け取っても違法性を問われることはない。
ただ、インボイス制度導入後の請求金額については、買い手との交渉次第であると考える。適格請求書でなければ、経過措置終了後は、買い手は課税仕入れができなくなる。
そのため、買い手は、消費税額の記載があっても、課税仕入れができないので、買い手から適格請求書発行事業者になるよう求められるかもしれない。

 

Q2.


売上に係る対価の返還として処理する「売上の戻し」等があった場合、 交付する適格請求書は「売上請求書」と「売上の戻しの請求書」で2枚必要になるのでしょうか。ひとつの請求書類で交付する方法はあるのでしょうか。

A2.
交付する請求書を1枚にする方法もある。
(「適格請求書等保存方式の概要」の11ページPoint参照)

 

Q3.


端数値引(出精値引き)があった場合、適格請求書にはどのように記載すればよいでしょうか。

A3.
すでに行った売上に係る値引きである場合、値引きについては、適格返還請求書を発行する必要がある。
これから行う売上に係る値引きである場合には、対価の額から直接減額して処理する。
適格請求書には、値引き後の対価の額に係る消費税等を記入する。
(記載例については、「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」問58参照

 

Q4.


請求書と支払通知書など、売り手・買い手の相互の書類を一体としてインボイスとする場合について
① 一取引において複数の書類がある場合に注意するべき点はあるのでしょうか。
② 上記の場合、発行側と受取側の請求書に対する認識について、書面での契約による確認は必要でしょうか。
③ 納品書や月次請求書に発生する、端数処理はどのように対応するべきでしょうか。

A4.
① ーつの取引で複数の書類がある場合の注意点は、適格請求書に記載事項が、
複数の書類のいずれかに確実に記載されているか確認する必要がある。
買い手が発行する仕入明細書等をインボイスとして使用する場合は、
適格請求書の記載事項が記載されているか、相手方の確認を受けているかが重要。

② 相手方から確認を受ける方法としては、

  • ・メール等で相手に仕入明細書等を通知して、相手方からメール等で確認通知を受け取る方法

  • ・仕入明細書に「送付後一定期間内に誤りのある旨の連絡がない場合は、記載内容のとおり確認があったものとします」等の文言を直接記載したり、その旨を別の通知文書として添付したりする方法


がある。
また、この場合の登録番号は、売り手の登録番号を記載する。
インボイスの様式等の認識について、「どの書類をインボイスとするかについて」相手方との話し合ったうえ、
決めておくことが必要と考える。

③ 端数処理については、一つの適格請求書につき、税率毎に1回の端数処理を行う。
端数処理は、「切り上げ」、「切り捨て」、「四捨五入」等の任意の方法で行う。
(「適格請求書等保存方式の概要」の7・8ページを参照)

 

Q5.


仕入にクレジットカードを利用した場合、インボイスの保存義務を果たすためにはどこまでの書類を保存するべきでしょうか。
クレジットカードを利用した各取引にも、課税仕入となる要件を満たすかどうかの確認をするべきでしょうか。

A5.
クレジットカードを決済に使用した場合にも、支払先が適格請求書発行事業者かどうかを確認する必要がある。
また、インボイスとなるべき書類(請求書、領収証等)を受け取る必要がある。

 

Q6.


登録申請書の提出期限である令和5年3月31日以降に申請した場合、いつからインボイス登録事業者となるのでしょうか。適用開始時期はいつになるのでしょうか。

A6.
現時点で令和5年3月31日までに申請できなかった場合、適格請求書発行事業者としての登録時期がいつになるかは不明。
この時期は駆け込み登録を行う事業者がかなりの数発生することが予想されること、確定申告時期と重なることから、税務署の作業が追いつかなくなる可能性があるので、具体的な登録時期を言うことはできない。
税務署としては、是非とも令和5年3月31日を待たずに早期の提出をお願いしたい。

 

Q7.


国外からの仕入の場合は、仕入控除はどうなるのでしょうか。

A7.
国外の業者からの国内仕入についても、国外の事業者が適格請求書発行事業者であれば、課税仕入は認められる。

 

Q8.


インボイスを登録していない人から、インボイス登録事業者だと嘘をつかれ、請求書や領収書に、架空の登録番号が記載されていることが後から判明した場合、
こちらの事前の調査不足ということで仕入税額控除が受けられなくなってしまうのでしょうか。

A8.
仕入先が適格請求書発行事業者ではないにもかかわらず、嘘のインボイスを発行していた場合、課税仕入れは認められない。
対策としては、事前に国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」で、実際に登録があるかどうかを確認しておく。
また、令和11年9月までは、経過措置により免税事業者等の適格請求書発行事業者以外からの課税仕入れについても、仕入税額相当額の一定割合は控除できる。
但し、この場合でも免税事業者等から受領する区分請求書と同様の事項が記載された請求書等の保存とこの経過措置を受ける旨を記載した帳簿の保存が必要となる。
(「適格請求書等保存方式の概要」の16べージ参照)

 

Q9.


税務調査の際に、どこまで支払い相手先がインボイス登録事業者だと確認するのでしょうか。

A9.
税務署側も、支払先が適格請求書発行事業者かどうかは、国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」で確認する。

 

Q10.


適格請求書等発行事業者と確認して継続的に取引をしていたが、こちらへの通知なく途中から免税事業者となっていたにもかかわらず、適格請求書を継続して利用し取引が行われていた場合、課税仕入として認められないのでしょうか。

A10.
適格請求書発行事業者は、その基準期間における課税売上高が、1,000万円以下になっても、免税事業者にはならない。
適格請求書発行事業者でなくなるためには、必ず所定の時期に「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を提出しておかなければならない。
この届出書の提出の有無は、「適格請求書発行事業者公表サイト」で確認できるので、取引先が適格請求書発行事業者かどうかを、定期的に確認する必要がある。
(消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」問18参照)

 

Q11.


インボイス発行事業者に登録する予定です。制度開始後に免税事業者と取引をする際に、消費税分金額の変更など取引内容を見直すことを検討していますが、トラブルになるケースも多いと思います。
交渉のやり方について、法的に問題にならないよう気を付けた方がよい事はありますか。
(売り手側、買い手側共に)

A11.
(買い手側)
優越的な立場を利用して、一方的に取引金額を決める行為は、独占禁止法等に問われる恐れがある。
(インボイス制度への対応に関するQ&A参照)

 

Q12.


免税事業者等からの課税仕人れに係る経過措置の実務運用について
免税事業者が発行する請求書に税率や税額の記載がないことが想定されます。その場合でも、
・仕入する側が控除の特例を受ける課税仕入れである旨を自らの帳簿に記載すれば仕入税額控除が認められますか。
・免税事業者が発行した請求書の一通一通に対して控除の特例を受ける旨の記載は不要という理解でよろしいでしょう
か。

A12.
まず、仕入する側が、免税事業者等からの課税仕入れにかかる経過措置の適用を受ける旨を記載した帳簿の保存をすれば、経過措置が適用される。
具体的には、個々の取引毎に「80 %控除対象」、「免税事業者からの仕入」などと記載するほか、個々の取引に「※」や「☆」といった記号・番号等を表示し、かつ、別途「※ ( ☆ )の取引は、80 %控除対象」などと表示する。
次に、受け取った請求書に区分記載請求書等と同様の必要事項が記載されていることこの2つの要件を満たしていれば、経過措置の適用を受けることができる。
なお、ひとつひとつの請求書に、経過措置の適用を受ける旨の記載は不要。

 

Q13.


現金で直接お金を支払った相手からもらう手書きの領収書に、仮に登録番号の書き忘れがあり、その後その人と連絡が取れなくなったしまった場合、こちらで登録番号を調べ後から自分で登録番号を記載してもいいのでしょうか。

A13.
売り手から受け取った領収証に、自分(買い手)で登録番号を記載することはできない。
あくまで、領収証を発行した売り手から内容を訂正した領収証の再発行を受けることが必要。
(「適格請求書等保存方式の概要」の15ページを参照)

 

Q14.


インボイスの様式は定められておらず、必要事項さえ記載されていればよいとのことで すが、従来の様式の用紙やレシートに、印刷の後で必要事項を追記して発行してもよいのでしょうか。

A14.
従来使用していた請求書等の様式に、必要事項を追記して発行したものについても、インボイスとして認められる。

 

Q15.


免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置の実務運用について
令和5年10月から3年間は80%控除可能、令和8年10月から3年間は50%控除可能。
免税事業者が発行する請求書に税率や税額の記載がないことが想定されます。
その場合でも、仕入する側が控除の特例を受ける課税仕入れである旨を自らの帳簿に記載すれば仕入税額控除が認められますか。
免税事業者が発行した請求書の一通一通に対して控除の特例を受ける旨の記載は不要という理解でよろしいでしょうか。

A15.
経過措置を受けるためには、免税事業者等から受領する区分記載請求書と同様の事項が記載された請求書等の保存と経過措置を受ける旨を記載した帳簿の保存が必要である。
(「適格請求書等保存方式の概要」の16ページを参照)
よって、税率や税込金額の記載のない請求書は認められない。正しく記載した請求書を再発行してもらう必要がある。
免税事業者の発行した請求書に対して、経過措置を受ける旨の記載は不要。
経過措置を受ける旨の記載は、帳簿のみであり、請求書に記載は不要である。

〉〉〉一覧へ戻る